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東京大学の研究をAIで分析【特許分析】

技術の共有や研究開発、イノベーションの促進、産業界への人材供給などの目的から近年では産学提携をおこなう企業、大学が増えてきました。そこで今回は、大学の研究開発に注目して特許を見ていきたいと思います。

東京大学は世界的なトップレベルの研究機関です。多くのノーベル賞受賞者やフィールズ賞受賞者を輩出しており、その研究成果は学術界において非常に高く評価されています。特に理工学、医学、社会科学などの分野での研究は世界的な影響力を持っています。本記事では、東大の研究について特許分析という面から見ていきます。

まずは権利者を検索

企業の検索では、Tokkoy.ai( https://www.tokkyo.ai/ )の上部に表示される検索窓の左の項目から「企業IP」を選択してください。そして企業名や研究機関名を入れて検索すると、関連する企業が得られます。今回は「東京大学」と検索しました。

こちらの「東大」をクリックすると以下のように情報を見ることが出来ます。

「保有知的財産権リスト」や「出願特許産業分布」のほか、簡単な法人情報を確認できます。一般的な企業を検索する場合、資本金や従業員数などの「法人情報」や、売上高や純資産額、経常利益、当期純利益などの「財務情報」を見ることができます。さらには従業員の男女比率といった情報まで見ることが出来ます。

「出願特許産業分布」を見てみると、「医薬品製造」や「測量、測定」などの分析機器、「情報サービス」など、特許の分野が非常に多岐にわたっていること見受けられます。

「保有知的財産リスト」を見ると特許が約6000件にものぼり、それと比較すると意匠や商標の件数は極めて少なくなっていることがわかります。

何かを販売しているわけではないので商標が少ないことは理解できますね。

詳しい出願状況の分析


「知的財産権分析」タブをクリックし、「動向分析」から、企業、研究機関が保有する知的財産について様々な方法で分析することが出来ます。

法人化された2004年から毎年350件近くの特許を出願していることがわかります。2021年からは減少傾向ですね。

また「知的財産権分析」タブをクリックし、「特許分野別現況分析」から、企業が保有する知的財産について様々な方法で分析することが出来ます。


こちらではIPC分類をベースにした技術分野別の出願数を見ることができます。

東京大学はやはり多岐にわたる分野における研究をしている事がわかりますね。化学分野が最も盛んであり、生物工学に関する特許が最も多いとわかります。

機械工学に関しては比較的研究が進んでいないと見受けられます。

ここから、企業の主力産業に関わる技術分野を見てみるもよし、あるいは意外な技術分野の特許を見てみるもよし、気になる技術分野を選択することで、その分野の特許に絞り込んで調べることが出来ます。

次に共同出願についてみてみましょう。

2005年あたりに日産自動車と2008年にかけてトヨタ自動車と共同出願を行っていることがわかりますね。2社はライバルですが、東京大学はどちらにも手を貸していたのですね。その後は、日本電信電話株式会社つまり、NTTと長年共同研究を行っていることがわかります。そのほかにも多くの機械メーカーと共同研究を行っていることがわかります。

意外にも、東大が得意としている化学系の研究は、他の企業と共同で研究を行っている件数は少ないことがわかりました。自力で化学系の研究を進めており、多くの成果を上げているということですね。流石です。

特定分野を分析

東京大学が「化学」分野での研究が盛んであるため、化学分野の特許を詳しく見てみましょう。中でも特に盛んな「生物工学」の特許を見てみましょう。

そして、気になる特許分野をクリックすることでその分野の特許に絞ってみることが出来ます。

今回は、生物工学分野で最新の登録特許である「リガンド傾向センサータンパク質とその利用」の特許を見てみましょう。タイトルだけでは何もわかりません。

いったいどのような特許なのか、「発明の詳細説明」のタブから詳細を見ていきましょう。
「Glarity Summary」のプラグイン機能を使ってAIに要約させてみると以下のような要約を得られました。

要約をみてみると
『本発明は、リガンド蛍光センサータンパク質の使用に関するものであり、蛍光生体イメージング技術において生きた細胞内のリガンドの動きを可視化解析するために使用されます。蛍光センサータンパク質は、単色型、レシオ型、およびFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)型に分類され、リガンド濃度に応じて蛍光強度が変化します。先行技術文献には、ATP蛍光センサータンパク質に関する報告があります。』
と表示されています。

難しいです。簡単に言えば、リガンドとは分子信号物質と呼ばれ、この物質を基にして細胞内での分子の動きをモニタリングするというものです。

請求項の比較

本発明の請求項を比較してみましょう。

請求項比較機能では、特許庁による審査の結果、公開公報と登録公報の請求項がどのように修正されたかを直接確認できます。この機能は、特許の審査過程の理解を深めるために非常に有用です。

特許戦略を立てる際や、新たな特許を出願する前に、以前の修正の傾向や結果を把握することで、より有益な洞察を得ることが可能になります。また、競合他社の特許の変更履歴を分析することで、自社の特許戦略を練る際の参考となる情報を見ることができます。

「請求範囲」から「請求項比較」をクリックすることで簡単に請求項の変更をみることが出来ます。

確認したい「公開請求項」を選択することで、「登録請求項」との一致率を確認することが出来ます。本発明では、請求項1を見てみると、出願時と登録時で請求項が大きく変更されたことがわかりますね。

「登録請求項」の確認したい「請求項」を選択することで、具体的に請求項の文書のうちどこが削除、修正、追加されたのか見ることが出来ます。

※本機能は有償版のみでご利用いただけます。

類似特許の調査

TokkyoAiの機能でAIテキスト検索による特許調査が可能です。特許取得を検討している出願書類や、気になる特許文献などの要約や請求項、課題と解決などをコピー&ペーストするだけで、類似する記載の特許を類似度順に表示します。

今回は先ほどの発明の要約をコピーしてAIテキスト検索してみます。

検索欄の右の「AIテキスト検索」をクリックして、要約をペーストして検索万します。最大2万文字まで検索できます。

すると以下のように検索結果が表示されます。(リスト表示にしています。)

42%類似している「光開裂可能標識を使用する抗原検出の方法」という特許を「AGILENT TECHNOLOGIES, INC.」が取得していることがわかりますね。

この機能でより効率的に特許調査を行うことが出来ます。

※無償版は本機能が1日10件に制限されます。

参考記事:『審査経過情報から重要特許を炙り出す』

まとめ

Tokkyo.Aiの分析機能を活用することで企業の最新の動向を特許から推測することができました。さらにAIを活用した機能により、請求項の比較や、類似特許の調査を非常に簡単に行うことが出来ます。これらの機能を活用することで研究開発や戦略策定をより効率的に行うことが出来るでしょう。

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