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テクノロジー企業のIBMはIPwe(人工知能(AI)とブロックチェーン技術を使った新たな特許活用エコシステムを運営するスタートアップ)と提携し、IBM Blockchainを通じて、NFTやデジタル資産として「特許」を活用する計画を発表しました。
特許のトークン化
トークンとは、ブロックチェーン内で発行・流通される、代用貨幣のことです。現在のブロックチェーンの用途としてメジャーな仮想通貨においては、通貨それ自体を指します。
トークン化とは、物理的な資産をデジタルの流通単位に変換することで、これにより資産をブロックチェーン内で定量化することが可能です。
特許のトークン化することによるメリットで大きいものとしては、流動性の強化です。一つの資産をトークンに分割することで共有が簡単になりますし、プラットフォームによってはスマートコントラクトで迅速な決済が可能となるかもしれません。ブロックチェーン上に記載されたものは改ざんすることが不可能ですので、取引履歴などが透明性を持って開示されるようになり、取引実績や価値算定が容易になっていくでしょう。
今までは美術品や貴金属といった高価値で代用の効かない製品に用いられてきたNFTですが(以下記事を参照してください)、IBMとIPweは特許の「高価値」性と「非代替性」に美術品などとの共通点を見出したということができるでしょう。
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IBMとIPweの提携でNFTはどう変わるのか
IBMのプレスリリースによれば、NFT化した特許の実証実験を2021年の第2四半期にも開始するとしており、第4四半期にはトークン化されたIPの販売を開始する見込みのようです。
NFTは美術品やブロックチェーンゲームといった分野にとどまらず、ビジネスなどへも活躍の分野を急速に広げていくことでしょう。今回の提携は、そのスタートとも言えるかもしれません。
NFTというツールの可能性は無限大です。今後も予想だにしない使い方が出てくる可能性が大いにある要注目分野といえます。