ニュースの概要
特許庁は特許権の取得・維持に必要な料金(特許料)を全体的に引き上げます。
背景の1つとして、IoT(Internet of Things)をはじめとするIT分野は技術革新が激しく特許の出願数が増加している点にあります。また、特許庁は08年から特許料の引き下げを繰り返しており、欧米の特許当局に比べて低廉な水準です。
今回の値上げのねらいは、特許特別会計の持続可能な運営を実現し、産業界の知的財産戦略を後押しすることにあります。
IoTと特許
ビジネス関連発明の活用に注目が集まっているのが、第四次産業革命を推し進めているIoTやAI分野などの新たな技術です。
IoTを活用したビジネスモデルの確立には、IoTを利用して分析したデータから新たなデータを生み出し、何らかのサービスへの活用が必要です。ビジネス関連発明の特許として自社ビジネスモデルで使用する際、システム保護に重要な役割を果たします。
IoT関連技術の具体的な例として、無人タクシー等の自動走行技術、生産設備と物流・発送・決済システムの統合等を行うスマートマニュファクチャリング技術、ウェアラブルコンピュータによる生体情報管理を伴うヘルスケア技術があります。
無人タクシー
無人タクシーは、現在の配車アプリ利用時と同様、スマートフォンでタクシーを呼び、乗降場所指定や決済処理の後降車するシンプルな方法での利用が検討されています。
料金設定は、当面は従来の配車サービスと同等か、それより低く設定する可能性も考えられます。高額なイニシャルコスト、研究開発費、人件費削減効果、国土交通省の省令による取り扱いなど、料金を左右する要素はいくつかありそうですが、社会受容性を高めるためにも、まずは利用しやすい環境を作る必要があるはずといわれています。
さらに、米調査会社アーク・インベストメントが2019年に発表したレポート「BIG IDEAS 2019」によると、自動運転タクシーの移動コストは従来に比べ約13分の1となるようです。将来的には利用料金が大幅に低下する可能性もあり、実現すれば「移動」に対する大勢の考え方を大きく変えていくことになるでしょう。
このように新しい技術については、最近申請された特許を見れば少し先の未来を想定することができます。無人タクシーの存在を前提としたビジネスについて、その関連特許をヒントに考えてみてはいかがでしょうか。
特許はhttps://www.tokkyo.ai/patent/news/の画面上部検索窓から検索することができます。
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