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取得した特許が使えない可能性も。Spotifyに特許放棄を求める書簡

ニュースの概要

Spotifyが取得した、人の感情状態や年齢、性別を検知しその状態に合わせた楽曲をリコメンドする音声認識システムの特許について、デジタル著作権関係の非営利団体Access Nowと180名以上のミュージシャンが、製品化や技術利用を行わないように求める書簡を提出しました。

特許取得と製品利用のギャップ

特許に携わる方はご存じかと思いますが、特許を取得することとそれが実際に製品化されることは全く別のレベルです。ですので、特許が出されたからと言ってその機能が搭載された商品が世に出回ることが保証されているわけではありません。

例えばアップルは大量に特許を出願することで知られますが、その特許技術のすべてを製品に詰め込んでいるわけではありませんし、かなり前に登録された特許技術が新製品に入れ込まれることもあります。

そうは言っても、特許を取得した技術やアイデアが公報によって公にされている以上、これらの技術の悪用などには気を払う必要があります。

今後どうなる?

今回の文書に法的な拘束力はなく、直ちにSpotifyが今回の特許技術を利用できなくなるわけでも放棄を義務付けられるわけではありません。

しかし、今回問題となった技術は、音声から感情状態を検知し楽曲をリコメンドするなど、感情の部分に強く働きかける機能をにもつため、慎重な利用が求められるという点では、実質的にSpotifyの技術利用は制限されます。

特許技術として費用をかけて開発・研究している以上はその技術が何らかの利益を生み出すことが理想です。

ですが、特許が取得されても様々な事情でその技術を世に送り出すことが困難な場合があります。特に、近年ではクローン技術のように技術の研究開発や利用が人道的観点から制限されるという事例が少なくありません。特許取得にあたっては、その技術がどのように活用されるのかまで見据えた戦略を練ることが求められます。

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