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近年Youtubeをはじめとする動画配信サイトなどで投稿が急増している「名曲コピー」系の動画。再生数も多くクオリティが高いものも多いですが、既存の楽曲のコピーを配信するため、著作権が問題となる可能性があります。演奏の度に使用許可は必要なのでしょうか。
結論から言えば、「YouTube」などJASRACと許諾契約をしているプラットフォームを利用していれば、権利保有者(音楽出版社など)に許諾を取る必要はありません。
音楽と著作権
楽曲は著作権法上保護される著作物なので、自作の楽曲以外を演奏する際は、音源製作者から「許諾」を得ないと原則として著作権侵害となります。
例外として、上述のようにJASRACと許諾契約をしている「YouTube」や「17Live(イチナナ)」などのプラットフォームを利用して、「自ら演奏または製作した音源」を「リアルタイム配信」をするなら、権利保有者(音楽出版社など)に許諾を得ずに演奏しても著作権侵害にはなりません。
「利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧」
https://www.jasrac.or.jp/news/20/ugc.html
一方で,YouTube等においても「アーカイブ配信」などの場合は、「PR目的ではなく」、法人等ではない「自ら演奏または製作した音源」を「個人がアップロード」する際は許諾なく配信可能です。
JASRACは、商用目的のアーカイブ動画について、ライブ配信などと異なり「広告目的複製」に当たる可能性を示しています。これはおそらくアーカイブで演奏画像が残る場合には、元の楽曲の著作権を侵害する度合いが大きくなることを考慮していると考えられます。
また、演奏配信以外にも動画内で市販のCD音源を流す場合には個別の著作権者への許諾が必要であるなど、著作権者への許諾の要否の判断は非常に複雑です。誰もが配信者となれる時代となり、著作権侵害のハードルが下がっている今だからこそ、著作権についてしっかりと振り返り、適切なコンテンツ作りを心掛ける必要があるといえるでしょう。
参考 JASRAC https://www.jasrac.or.jp/info/network/pickup/movie.html
配信元 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/291301