ニュースの概要
エレコム社などは、ブラザー工業社がインクジェットプリンターの設計を変えて純正品のインクカートリッジしか使えないように設計したとして、ブラザー工業社製のプリンターの互換品のカートリッジを販売していたエレコム社などがブラザー工業社を訴えていました。
そして、東京地裁は設計変更が独占禁止法違反(不公正な取引方法)にあたると認め、約150万円の賠償をブラザー工業社に命じました。
訴訟構造
[エレコム社の請求]
- 1500万円損害賠償を請求
- ブラザー工業の設計変更差止めを求める
判決 本件の排除は「公正な競争を阻害」
①1500万円損害賠償請求
結論の前提
・ブラザー工業社の設計変更の目的は「市場シェア率が高い互換品の販売を困難にするため」
・ブラザー工業社は、プリンター本体の価格を抑え、利益率の高い純正品のインクカートリッジを継続購入してもらうことで収益を上げている
・純正品に比べ価格が安い互換品が売れれば、プリンター製造業者への経済的打撃が大きくなる
→消費者が純正品を購入せざるを得ない状況になった
結論
・設計変更は「正当性はなく、市場での公正な競争を阻害するおそれがある。不当な抱き合わせ販売である。」
→設計変更で使えなくなった互換品をエレコム社が廃棄しなければならなかった事情などを踏まえ、ブラザー工業社に賠償責任があると認めた。
②設計変更差止め
結論
変更に対応する互換品をエレコム社が開発していたとして差止めは認めない
提供元:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE24BZM0U1A920C2000000/