ニュースの概要
ベニー・ブランコのヒットシングル「イーストサイド」を巡ってベニー、ホールジー、カリード、エド・シーランらが著作権侵害で訴えられました。
エド・シーランの著作権侵害訴訟
エド・シーランは以前にも著作権侵害でサム・ショクリというアーティストから訴えられています。サム・ショクリはエド・シーランがヒット曲「Shape Of You」で自身の2015年の楽曲「Oh Why」のコーラス部分を盗用したと主張しています。裁判官はサム・ショクリからの訴えを重く受け止め、エド・シーランがロイヤリティで得た収入を凍結するという判決を下しています。
「Photograph」をめぐっても著作権を侵害しているとして二人のソングライターから訴訟を起こされており、こちらは2017年に和解に至っています。
そして2018年にも、「Thinking Out Loud」が、故マーヴィン・ゲイの曲に似ているとして著作権団体から訴えられていました。
音楽の著作権侵害
著作権者には、「著作権」という1つの権利があるのではなく、複製権、上演・演奏権、公衆送信権、翻案権(翻訳権・編曲権・脚色権等)といった複数の権利(支分権)が発生しています。
「既存楽曲に類似している」と主張する時の法的構成は、翻案権の内の編曲権(著作権法27条)の侵害ということになります。
編曲権侵害の成立要件―裁判例(東京高判昭和49・12・24)(東京高判平成14・9・6)
- 楽曲の表現上の本質的な特徴の同一性(・類似性)
人が同一性を感得できるか否か
- 依拠性
新しい楽曲を制作するにあたって、制作者が既存楽曲に依拠していなければ、たとえ当該新作楽曲と既存楽曲が全く同一であっても、著作権(編曲権)侵害は成立しないことになります。
(1)(2)が充足すると著作権(編曲権)侵害となります。
作曲家はこれらの観点を意識して、既存曲の著作権(編曲権)侵害をしないように注意する必要があります。
配信元:https://www.daily.co.jp/gossip/foreign_topics/2021/05/26/0014359281.shtml