ニュースの概要
2020年2月にファーウェイがベライゾンを特許侵害に基づき提訴していた裁判につき、21年7月付けで両者間で和解が成立したことが分かりました。
この事件の審理は同月から始まっており、実際の裁判が開始されてからは非常にスピーディに決着がついた形になります。
これまでの経緯
米中間の知財をめぐる衝突が激化してから、中国の通信事業会社ファーウェイとアメリカ通信大手ベライゾンは複数の衝突を重ねています。
2019年にはファーウェイが200以上の特許について10億ドル以上の使用料を請求し、さらに翌年には今回の12件の特許侵害訴訟を提起に至っています。一方で、ベライゾン側も同年に反訴を提起して特許権侵害を訴えるなど、知財権をめぐる衝突は激化の一途をたどっていました。
また、これらの動きに先立つ2019年、アメリカの上院でファーウェイをはじめとする監視対象企業によるアメリカでの特許侵害訴訟を禁止する法案が提出されるなど、国家を巻き込んだ問題に発展しています。
もはや、両者の衝突は二企業間の紛争ではなく国家、果ては世界を巻き込んだうねりになりかねません。今後の動きを注視する必要があります。
両者の知財にまつわる動き
ファーウェイは、先日フォルクスワーゲングループのサプライヤーと特許のライセンス契約を結ぶ一方、ベライゾンはグループ会社が保有していた「ヤフー」の商標権をZホールディングスに譲渡するなど、いずれも知的財産を活用したビジネスを行って世間の耳目を集めています。
これだけ知財に敏感な企業だからこそ、自社の技術を守るために衝突するということが起こりうるのでしょう。
ファーウェイとフォルクスワーゲングループとの特許ライセンスについてはこちら
ベライゾングループからのヤフーへの商標権譲渡についてはこちら
これからは、企業は知的財産を守ってビジネスを行うことが時代の潮流になっていくかもしれません。