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任天堂が、2018年にコロプラに対して提起していた訴訟の賠償額が49億5000万円から96億9900万円に増額していたことが分かりました。
今回、任天堂の増額は提訴以来2度目であり、前回と同様「時間の経過」を理由とする増額ですが、当初の賠償額である44億円から2倍以上となり、もとより大規模であった訴訟がより深刻化したといえます。
任天堂が侵害特許として主張しているのは
の5点ですが、コロプラ側はいずれの特許についても任天堂側の主張を真っ向から否定しており訴訟はさらに拡大すると考えられます。
なぜ話題なのか
今更列挙するまでもないかもしれませんが、今回の訴訟は、それぞれ著名な両当事者、莫大な賠償額の主張など注目度が高くなる要素が多数あります。
また、コロプラ側は当時主力だったゲームの中心的なシステムについて特許侵害を主張されたため、ゲームのサービス終了がささやかれるなどSNSで話題が沸騰し、さらに話題が拡散した背景があります。
中にはにわかには信じがたいような噂話までもが飛び交う状況になっており、一審判決が下される前からその注目度はどの知財訴訟にも増して高いです。
特許侵害と訴訟リスクを回避するためには
特許侵害訴訟は、このように2年以上かけても一審判決が出ない可能性もあり(今回はコロナで延期したという特殊事情があった可能性も考えられます)、訴訟の中でも原告も被告も負担が大きくなりがちです。この負担に耐えられるか否かは置いておくとしても、原告も被告も特許侵害を避けるのが好ましいということは言えるかもしれません。
一般に、特許訴訟を避けるためには、事前に侵害調査を行いリスクを排除して開発を行うですとか、必要な特許のライセンスを受けた上で開発を行うといった方策が考えられます。これから開発する製品については、どの分野においてもせめて侵害をしないよう注意深く開発をする必要が生じると考えられます。