ニュースの概要
パナソニック株式会社(以下、「パナソニック社」)とその子会社が、発光ダイオード(LED)照明器具の構造に関する特許権を侵害されたとして株式会社遠藤照明(以下、「遠藤照明社」)に計10億円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁はパナソニック社側の請求を棄却しました。パナソニック社は控訴する方針です。
訴訟構造
[パナソニック社の主張]
パナソニック社が「遠藤照明社が特許侵害をした」として提訴しました。
「ⅰ光線のちらつきを軽減させる効果があるLEDの配置法則や、ⅱ天井からの張り出しが少ない器具の構造などの特許を7件出願。遠藤照明社の製品がこれらを侵害している」
[遠藤照明社の主張]
「ⅰちらつき感のない照明器具は出願前に広く知られ、ⅱ特許と同様の構造を持つ張り出しの少ない製品が出回っている」
つまり、遠藤照明社は、以下の主張をしました。
ⅰ光線のちらつきを軽減させる効果があるLEDの配置法則の特許
特許訴訟要件のうちの「新規性(特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明[特許取得の要件])」を否定し、特許の有効性を争いました。
ⅱ天井からの張り出しが少ない器具の構造の特許
特許訴訟要件のうちの「新規性(特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明[特許取得の要件])」を否定し、特許の有効性を争いました。
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[大阪地裁判決]
ⅰちらつきの少ないLED配置
「遠藤照明社はパナソニック社側の特許と同一性が認められる発明をし、パナソニック社の出願時点で、国内で事業展開していた」として「パナソニック社は特許権を行使し得ない」と認定しました。
ⅱ張り出しの少ない構造
出願前に特許と同一の構造を持つ製品が出回っていたとしました。
結果として、パナソニック側の主張する、「遠藤照明による特許侵害」は認められませんでした。