width=

米「中国の知財権保護まだ不十分」 USTRが中国を引き続き「優先監視国」

ニュースの概要

アメリカのバイデン政権は中国に対し、アメリカ企業の知的財産を尊重する取り組みを強化するよう促しました。中国による知財窃盗や偽造、デジタル著作権侵害といった商業上の違法行為を取り締まるため、トランプ前政権がかけた圧力を維持する姿勢を示唆しました。

最新の優先監視リストには中国のほか、アルゼンチンとチリ、インド、インドネシア、ロシア、サウジアラビア、ウクライナ、ベネズエラが含まれました。

背景

米通商代表部(USTR)は、新型コロナウイルス流行に伴うデジタル化の進展を背景に、中国によるオンライン市場におけるコロナウイルス検査キットや高機能マスク「N95」などの中国製の偽造品が各国で大量に摘発された知財権侵害行為は「世界的な懸念事項」と指摘しました。

また、中国は過去1年間で特許法や著作権法、刑法の改正を進めたものの、貿易合意で約束した抜本的な改革には「不十分だ」と非難しました。

模倣品がなぜ中国で多いのか

アメリカはかねてから知的財産侵害について、中国に対して強硬姿勢を取ってきました。現在、米中間では知的財産の覇権争いが繰り広げられているといっても過言ではありませんが、そんな中民間での模倣品摘発が中国で多い理由は何でしょうか。

例えば以下のような指摘があります。

(1) 国家が方針を決め、国立の研究所や大学が開発、設計して各地の工場にノルマ性で生産させる、という物作りの流れなので、改革開放で各工場の独立採算、自主運営を求められても開発体制がないため、世の中にある売れ筋商品を模倣して作るしかない。

(2) 90年代以降の先進国から技術導入により、生産の技術力が急速に向上した。

(3) 中国共産党は先進国に一刻も早く追いつこうと、法律・法規を頻繁に制定、改正するので長期的視野を持ちにくいので、企業家は短期的利益に走りがちとなる。

(4) いわゆる華僑ネットワークを世界中に持っており、そのネットワークを利用して、売れ筋商品の情報収集をすると共に、製造した模倣品をネットワークを通じて流通させることが容易にできる体制が整っている。

(5) 国土が広く人口も多いため、例え他国と同率としても、模倣業者の数も桁外れに多くなる。


http://sokeizai.or.jp/japanese/publish/200706/200908hattori.pdf

中国でも税関での偽ブランドの摘発に力を入れるなど、知的財産の模倣に尽力していますがまだまだ足りないというのが現状のようです。

配信元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-04-30/QSDTOFDWLU6F01

インターネット普及により、拡散する中国の模倣品についての記事はこちら