ニュースの概要
タイゴエナジー社がAPsystemsに対して新たに特許権の侵害を主張する訴訟を提起しました。
既にタイゴエナジーはAPsystemsに対して特許権侵害訴訟を提起しているため、訴訟は拡大し、両者の係争が深刻化した局面に入ったと言えるでしょう。
むしろ、今までの特許侵害訴訟が1件の特許を対象としたものである一方、今回新たに5件の特許侵害を主張していることから訴訟が本格化したとの見方も可能かもしれません。
タイゴエナジー社について
タイゴエナジー社はアメリカに本社を置く太陽光発電システム開発企業であり、日本にもオフィスを持ちます。
太陽光発電に関する特許出願が世界的にもかなり多く、これらの技術を元に、太陽光発電の効率を向上させるための研究開発を行っています。
APsystemsについて
Altenergy Power Systems社(APsystems社)は、中国企業浙江昱能科技有限公司を親会社とする、米国の企業で、タイゴエナジーと同じくエネルギー事業をメイン事業としています。
公式サイトによれば、太陽光発電におけるマイクロインバータの市場規模では世界2位を誇るようです。
対象となっている特許
今回侵害が主張されている特許は、米国特許第8,653,689号、第9,584,021号、第9,966,848号、第10,333,405号、第8,933,321号です。いずれも電力モジュールについての生産効率上昇のための技術のようです。
特許訴訟を回避するには
今回は、別訴の特許侵害訴訟でタイゴエナジーの主張が認められた侵害に加え、その他4件にわたる訴訟を新たに提起しており、勝訴を契機としてタイゴエナジーが権利主張を拡大させたとみるべきではないでしょうか。
一般に特許侵害を回避するためには、(意図的なものを除き)十分な特許調査と、新規技術の精査が重要になることが多いです。
特許侵害訴訟を避けるためにも、事前の準備や権利のクリアランスが重要になってくるでしょう。