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「無印良品」のブランドで知られる良品計画社が、中国で展開する「MUJI」のブランドが商標権侵害である旨訴訟を提起されていた問題で、北京の最高裁にあたる北京市高級人民法院は「MUJI」が商標侵害ではない旨判示しました。
商標の冒認出願
実は、この訴訟の背景には根深い問題があります。この訴訟の原告である北京綿田紡績品有限公司は日本の良品計画が中国に進出する前に中国で「無印良品」の商標を取得していたのです。そのため、良品計画は中国において無印良品のブランドを使用することができず「MUJI」のブランドを使用していたのです。
なお、良品計画は中国進出から間もなくして中国における「無印良品」の商標の無効を争って訴訟を起こしていますが敗訴しています。
実際に他社が使用しているブランドを商標として出願する、という現象は中国をはじめとする各国で多くあります。特にその商標を使用していない者からの出願を「冒認出願」といい、日本の有名ブランドが次々とその対象となったことから問題視されてきました。実際にこれらの冒認出願が覆らず本家の団体がブランド名を使用できない事例も多発しており、これらを踏まえた商標戦略が必要になっています。
商標の冒認出願について取り扱った記事はこちら
商標の国際登録とは~「松阪牛」問題と国際商標~ | Tokkyo.Ai
今回も良品企画は勝訴したとはいえ、自社の最も著名なブランドである「無印良品」は使用できないままです。
企業には、今後商標の国内登録だけでなく、海外登録も見据えた対応が求められます。