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プラダが”ただの”逆三角形のマークを商標出願 ブランド力強化、フレキシブルに利用する目的

ニュースの概要

プラダがブランド力の強化と、またフレキシブルに利用する目的で、逆三角形の中が“空白”のマーク、つまり“ただの”逆三角形のマークをブランドロゴとして利用した商品を増やしています。

今回、プラダはこの“ただの”逆三角形マークを欧州連合知的財産庁(USPTO)に商標として出願したことがわかりました。

新しく使うプラダのマークを商標出願

プラダといえば逆三角形の中に「PRADA Milano」、「DAL 1913」の文字が入っているロゴが有名です。

これらに加えて、プラダは「“ただの”逆三角形のマーク」について権利を及ぼすために、2021年6月USPTOに対し簡略化された“ただの”(完全に空白ではない)の逆三角形のマークを商標出願申請しました。

逆三角形の中が空白または部分的に空白のマークは、今までのプラダのマーク(PRADA、ミラノ、DAL 1913などが逆三角形の中に入ったマーク)と併せて既に過去のコレクションで使われています。

このマークの商標出願は、ブランドが“ただの”逆三角形のマークを特定の用途で使用することで「潜在的に強力な権利を主張する道を開く」可能性があります。

多様な商品を提供するため

今回プラダが新たなマークについて商標出願を行ったことには背景事情があります。

一つ目は、提供する商品を多様化させるためです。ブランディングへのアプローチ変更も含めて提供する商品を多様化することによって、根強いファンの多様化する好みに合わせた商品展開をできるうえ、さらに広い層へ訴求することもできます。

高級ブランド品市場の規模の大きさと、世界の消費者のアパレルとアクセサリーの需要を考えると、多くの人々が同一ブランドからの多様な商品展開を望んでいることが想定されます。マークを“ただの”逆三角形にすることにより、あらゆる商品に対応してブランドを提供することができるのです。

背景には中国の政策も

二つ目の背景は中国政府の政策にあります。

現在、中国におけるブランド品の需要は高い一方、中国の習近平国家主席が開始した「共通の繁栄」政策における富の不平等に対する取り締まりと関連して高級ブランドの消費が低迷する可能性が否定できません。

そのため、高級ブランドが、グローバル市場で成長を追求し続けるためには、各コレクション内で商品を多様化し顧客も多様化させる必要があります。

ほとんどの大手ブランドはすでに対応する施策をとっています。たとえば、ルイヴィトンは、消費者の好みを基に、エキゾチックな素材で作られたバッグをアジア市場をターゲットに展開することが知られています。

ブランドのこれから

一般的に分かりやすいロゴと異なり今回のプラダのマークはブランドのイメージを強烈に示すものではありません。しかし、“ただの”逆三角形のマークは既にコレクションで使用されており、新しいマークを知っている消費者に向けてブランドマークとして商品に使用されるでしょう。

配信元:https://www.thefashionlaw.com/prada-is-doubling-down-on-its-pared-back-triangle-logo-in-apparent-play-to-boost-its-rights-and-diversify-its-offerings/