ニュースの概要
コストコが販売するティファニー(「Tiffany」)という名称の指輪を巡って、ティファニー(「TIFFANY & CO.」)社とコストコが8年間商標権侵害を争っていた裁判が「和解」で終結しました。
和解まで8年間の訴訟経緯
[2013年]
◆ティファニーの主張
・コストコが「Tiffany」の名称を使った看板を付けて結婚指輪を販売
・指輪の形状が「ティファニー・セッティング」(宝石の止め方のデザイン)という仕様
・ブランド物の高級時計の隣で販売していた
・数百人がTIFFANY & CO.の婚約指輪をコストコで買ったと誤解した
◆コストコの反論
・「ティファニー・セッティング」という一般的に使用される指輪の形状を指して「Tiffany」という名称を用いたにすぎない
・指輪にTIFFANY & CO.の刻印はなく、TIFFANY & CO.風の青い箱や袋にも入れずに販売した
・コストコの宣伝について誤解していたという客は10人に満たない
・商標権を侵害する意図はなかった
[2015年]
◆裁判所の判断
ティファニーの訴えを認め、コストコによる商標権侵害や商標品偽装を認定
[2017年]
◆裁判所の判断
①コストコはティファニーに総額1930万ドル(約21億円)を超える損害賠償を支払う
→算定額内訳
(ティファニーが被った実損(370万ドル(約3億円))の3倍の1110万ドル(約11億円))+(懲罰的損害賠償825万ドル(約8億円))を含む額
②「ティファニー」の言葉を単独で使ってはならない
※ただし、「ティファニー・スタイル」などの言葉を付け加えれば使用できる
③指輪やセッティングのスタイル(指輪の宝石の止め方)を指して「ティファニー」を用いることは禁止
◆判決に対するコストコによるコメント
・ティファニーの偽ブランド品を販売していたわけではない
・コストコ側には陪審員への十分な説明の機会が与えられなかった
[2020年]
◆裁判所の判断 破棄差戻し
理由:「コストコ側に陪審員への十分な説明の機会が与えられなかった」
[2021年]
◆コストコ、ティファニーのコメント
「紛争は友好的に解決した」
※和解条項は非公開