訴訟や知財の話題になったとき目にすることがある「FTO調査」という文字。
なんとなく読み進めているけどホントはよくわかっていないなんてことありませんか?
今回はそんなFTO調査について簡単に解説をしました。
FTO調査とは
FTOは、Freedom to operateの略で、直訳すると「自由な操作、自由な発想」という具合にも訳せますが、要は、自由に事業を行うための調査です。
もちろん、事業を行うことは原則自由ですが、他社が特許権などの権利を取得している場合に問題になります。
FTO調査が必要な場面
たとえば、ある技術を開発し、その技術を活用してサービスを提供しようと考えたときに、必ず考える必要があるのは「誰かの権利を侵害していないか」ということです。
そういった場合にFTO調査を行い、起こりうる知的財産権侵害の危険性を確認する必要があります。
もし他人の特許を侵害してしまうと、侵害した相手方から差止請求をされてしまうことが予測されます。
差止請求をされてしまうと、その侵害した技術を利用している自社の商品の販売やサービスの提供をストップせざるを得ません。
新規事業や、スタートアップ企業でこのようなストップをかけられることは致命的です。
そういった理由から、FTO調査は欠かせないといえるでしょう。
FTO調査の方法
一番簡単な方法は特許検索エンジンに自分たちの発明や事業に関するキーワードを打ち込み、類似している特許などの知財が出願されていないかをチェックする方法です。
しかし、これだと不十分です。
もう一歩踏み込んだ調査方法として、IPCやFI、Fタームなどの「特許分類」を利用した検索方法があります。
特許には「G08G1/00」などのコードが付されており、これを頼りにしてFTO調査を行う方法です。
これら「特許分類」は発明の内容を検索しやすいように分類したものなので、使いこなすことができれば非常に強い武器となりますが、分類についての知識が全くない方だと、専門的な分類コード群をみると抵抗を覚える方も多いかと思います。
詳しくはこちらの記事をご覧ください:【入門編】特許検索に必須!特許分類「FI」「Fターム」「IPC」とは
FTO調査の専門家に依頼しよう
FTO調査はこれらのコードを使いこなし、専門的な観点から侵害可能性を判断する必要があります。
こういった調査を専門にしているのは知財の調査専門業者か、弁理士になります。
自社に専門的な調査スタッフを抱えていない企業の場合は、プロダクトの開発段階から専門家に相談することを推奨いたします。
専門家に相談する際は、プロダクトの関連資料(技術文書や事業計画資料、開発ロードマップ等)を用意し、丁寧に説明を行うなど、齟齬がないように注意しながら依頼しましょう。