特許情報からは業界の動向やトレンド、技術用途をはじめ、様々な情報を読み取ることが出来ます。
今回は、「メタバース」について簡単に調査をしていきたいと思います。
全体の出願状況の検索
「メタバース」で検索したところ、検索結果として104件が得られました。
メタバースは日本語で「仮想空間」と訳されることが多いですので、「メタバース」もしくは「仮想空間」というキーワードを含む特許を検索してみましょう。
これを「OR検索」といい、この場合はキーワードの間に「+」を入れて「メタバース+仮想空間」と検索します。すると検索結果として21,982件得られました。出願傾向は以下の通りです。
ちなみに、「メタバース」と「仮想空間」をどちらも含む特許の検索をしたい場合、「AND検索」を行います。キーワードの間に空白を入れて「メタバース 仮想空間」と検索します。すると、検索結果として55件得られました。
出願数上位5社と出願動向
「OR検索」の結果を分析してみます。
今回は、過去20年の出願数上位5社について分析してみましょう。
まず2000年代初めにキャノン(株)が多くの特許を取得し、2010年ごろに任天堂(株)、(株)コナミの出願が増えています。2014年ころからは(株)コロプラが出願を伸ばしています。
※グラフは「検索結果の分析」ボタンから表示できます。
さらに、右上「分析結果ダウンロード」より各企業の各結果がExcel形式で入手できます。
そのExcelファイルの表データを基にすることで以下のようなグラフも作成可能になります。
※本グラフはExcelで作成
メタバースが使われている産業(用途探索)
技術分野分析の機能を使うことで「メタバース+仮想空間」がどの技術分野で使われているか用途探索を行うことが出来ます。
さらにグラフ変更で好きなグラフを選択することでそれぞれのグラフで結果を表示することが出来ます。
最も出願数が多いのが、「家具、ゲーム」であることがわかります。その次にコンピュータ技術、視聴覚技術と続いています。
また、グラフの表示を変更することで、各分野でどのように出願数が推移しているのか読み取ることが出来ます。さらに、気になる箇所をクリックすることで、その特許をより詳しく見ていくことができます。
技術潮流を掴むためには、まだ分類されていない新規分野の出願も見ておいた方がいいでしょう。
用途探索機能の使い方について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
では、メタバースが最も用いられている「ゲーム」の分野について詳しく見ていきましょう。
最も多くの割合を占めていた「ゲーム」において「メタバース、仮想空間」がどのように使われているのか見てみると、
「現実世界および仮想世界の融合を可能にする。」と記載のある特許が見つかりました。
脳波を読み取ってその情報を基に仮想世界を再現し、現実世界と仮想空間が融合するようなまるでSFの世界を作る技術がすでに開発されていることがわかります。
このように、技術がどのように活用されているかを見ていくことでトレンドのキャッチアップだけではなく、用途を知ることが出来ます。
まとめ
例えば「メタバース」に関する特許出願について調べる際に、類義語を「+」でつなげて「OR検索」を行うことで、メタバースと同様の技術の発見につながります。
特許情報から技術トレンドを読み取ることで、自社の戦略に活用しましょう。